涙なしにはみれない
アイマスクエストⅣ エスターク物語 後半 ておくれPとチームておくれの皆さん
見終わって毎回ながら思うのはアイマスクエストのストーリー構成の緻密さでした。
独自設定をここまで公式設定に融合できるものかと感嘆せざるを得ません。
原作DQは3と4、2を途中までしかやってない私ですが、物語を追っていてその説明と経過にとてもしっくり来るんですよね。
数え切れない要素が繋がりあい、今まで描かれた約180回の上に積み上げられたなんという説得力。
アイクエ最高。
一度は叶った夢以前、夜の帝王がピサロに話していた件。
閣下も過去に「魔物をおとなしくさせる」「魔物を生まれなくする」を試みていたと言う話がありました。
あれを見たとき私は、ああ、両方とも失敗してしまったんだなという風に解釈してました。
なので、この後編で「おとなしくする」が失敗したというのは、やはりか><と思いつつも予想通りの展開ではありましたね。
やはり駄目なのか・・・・

そんなわけで後者(生まれなくする)についても同じような仕組みの理由で失敗してしまうものだと思って観ていたのですが・・・・
そこに失敗の文字はなかった。

このカットを見た瞬間、気分が上向きになったというか微かな希望が私の中に湧いてきた。
もちろん、「わかってる・・・。でも結局は失敗してしまうんでしょ?結果はわかってるから。。」
という半分諦めのような気分がある一方、なんか希望に縋りたくなってくるんですよね。
なので、このカットを見た瞬間次にどんな展開が来るのかが気になってしょうがなかった。
成功したと思わせて絶望の淵に落とされるという辛い流れなのか。
となると、次の展開は生まれなくなったはずの魔物が大量発生みたいなハプニングから始まるのだろうか、とか。
それだときつい展開だなあとか。2:59~3:05までの数秒間に色々考えてしまいましたね。
諦めとわずかな希望が混じった複雑な数秒間でした。
そして画面暗転の後にやって来たのは、予想に反してラーミアのテーマとその姿だった。
いつかまたこの笑顔を
神シーンです。もう誰がなんと言おうと3:05~からの2分半は神シーンだと思います。
喜びと悲しさがこんなに入り混じったシーンはないと思う。
神です。ておくれPは神。ておくれPは神です。
透き通るような美しいBGMをバックに青い大海原の上を飛ぶラーミア。
そして二人の嬉しそうな会話。閣下が、あの閣下がこんなに嬉しそうにしてるの始めて見た。
今までも笑ったシーンは数あれどこれ以上綺麗な閣下の笑顔はないと思う。
顔グラの目元が暗くなってるけど、わずかに見える口元とセリフだけで十分感情が伝わってくる気がします。
閣下が可愛い、綺麗。なんかこっちまで嬉しくなってきますよね。
堅物のエストも口調は固いけど喜んでいるのがわかります。
途中でBGMが盛り上がるシーンでいつも喉に熱いものがこみ上げてきちゃうんですよね。
辛いシーンが来ることを覚悟していただけにこの時の感動はひとしおでした。
ありがとう、ておくれP。このシーンを描いてくれて。
エスターク物語は前編のラストをターニングポイントに、後は下り坂一方なんだと思ってた。
後編はあの結末に向かっていく悲しい物語を追っていくのかと覚悟してました。
けどこの2分半の素晴らしさといったら。
一度は夢が実現して喜びをかみしめている二人のこのシーンこそ、この外伝のクライマックスだと思ってます。
控えめな感情表現に内側にある幸せの雰囲気が最高に素晴らしい。
ずっと、ずっとこのシーンが続けばいいのに。何十分でも見続けるのに。
描写もいいよね。記憶にある黒ラーミアよりもさらに黒い。
美しいBGM、真っ青な海、楽しそうな二人に対し、溢れんばかりの闇のオーラを発散しながら飛ぶ黒いラーミアの対比が象徴的。
本当に穏やかで美しいシーンなんですけどね。
見てる私の方が、悲しさを持ち込んでしまうので切ないシーンになってしまう。
1000年と100年未満エストと閣下の会話がいいですよね。
性格は大分違うけど、心が通い合ってるのが伝わってきます。

ちなみにここで出てきた1000年と100年。私的に印象的な箇所でした。
1000年の方に関しては「え?エストってそんなに気長に待てるタイプなの?」
と言うところ。世界を滅ぼすとか言ってるくせに随分お優しいんですねw
それまでは人間が闇を生み出し続けても許せると?
まあ、こういう所大好きですけど。前編の描写の時点で誠実でいい奴だというのはわかってましたが
本質的に魔王じゃないですよね。(システムとしての魔王の定義は置いておいて)
私的にあのカット、1000年ではなく10年でもそれほど違和感はなかった。
人間の尺度としては10年ひと昔っていうし、エストだって人間なわけだから平和になって10年待って駄目なら・・・
という解釈でも十分納得出来た気がする。
でも桁が2つも違った時点で私のエストに対する印象が結構変わりました。(今までの延長線上の方向にですが)
そうか、エストはそういうスケールで物事を見ることが出来るのか。しかも、ちゃんと1000年を見届ける覚悟がある。
全くもう・・・・。つくづく魔王にしておくのはもったいない最高のツンデレ賢者です。
一方、閣下の100年未満。
今生きている人間が完全に入れ替わる年数としては結構妥当な数字ですよね。
まあ、それは別としてエストよりも短い年数を言った事に意外性を感じました。
本編の中では魔物を従える怖い存在であった閣下が、普通に人類に希望を持っているところが。
(むしろ長い時を魂として生き続けた閣下とエストの出す年数は逆でもいいんじゃないかぐらい)
春香達のいる時代では彼女の思惑はついにわかりませんでしたが、
この時代での閣下の素の表情を見た気がします。
「100年もかからないかもしれないわよ?」という閣下が可愛くて可愛くて。
この2分半の間にどんどん閣下が好きになっていく魔法の描写です。
・・・・・。
気になるのは、魔物がいない世界は何年続いたのかというところ。
1年未満なのか、数年は維持できたのか、それとも数十年?
もう既にそこは問題ではないのかもしれませんが、二人の希望に満ちた期間がどれだけ続いてくれたんでしょうか。
結果だけみれば「魔物を生まれなくする試み」は失敗したのかもしれない。
けど、ひょっとしたらあれがなければ成功が続いてくれた可能性もありますよね。(無理?)
闇の侵食に苛まれるまでの時間が少しでも長く続いてくれていたと思いたい。
いつか再びあの光景を
閣下が世界の闇を吸収し続ける黄金の腕輪に耐えかねてつい腕を外してしまう場面がありました。
少し外してみただけ、と言ってましたが腕輪が床に落ちた音からすると、そうじゃないですよね。(金属音のSE描写が絶妙です。)
うつむいた横顔の描写が辛すぎて見ていられません。
閣下の心が挫けそうになった場面は本編では描かれなかった貴重なシーンですね。
前編でも描かれた大魔王の呪いへの強い対抗心(いい表現が浮かばない)と同じく
閣下らしくない余裕のない心理描写がまた上手いです。
・・・・・。
・・・・・。
あの描写だけを見ると、腕輪を片方外していなかったとしてもあの結末は避けられなかったのかもしれません。
(昔、動画コメのみんなが言ってたように風呂が原因ではなかったのは残念ですが)
そうか、エストがマスドラと。。
見終わった後、たぶん多くのみんながそうされたように、私も96話を見直しに行きました。
まさしくみんなの言うとおり。あの場面での閣下のセリフの意味合いが全然違うものになりました。
あの頃にもうこの設定が出来上がっていたんですね。
辛いね。二人ともあんなに頑張ったのに。
あの状況では無理でしょうけどもう少し二人に別れの時間を与えてあげたかった。
エストの最期の言葉は閣下に届いたんでしょうか。
96話の閣下のセリフの意味がわかったと同時にあまりにも悲しすぎるエストの魂が浮かばれることを願ってやみません。
96話のあれも自我をなくしてしまったエストへの閣下なりの愛情表現なんだと思いますが
最終的に春香の光で地獄の帝王は魂ごと消滅したとなると、もうあの世界で再びエストと会うのは難しそうです。
今後、閣下が同じように春香の光で消滅するかはわかりませんが、
いつかまたラーミアの上で語り合っていたあの安らかな日々来ますようにと心底願います。
私はこの短い前後編ですっかりこの二人の組み合わせが大好きになってしまいました。
もう外伝のレベルじゃないよこれは。相変わらずておくれPには泣かされっぱなしです。悔しい!
魂が消滅してこの世界で再び生まれ変わることが出来なかったら、別の世界で生まれ変われたりできないですかね?
もし、もし春香達がこの世界を救うことができたら。勇者も魔王もいない世界ができたら。
二人ともおいで、765プロのある世界に。
今回のエスターク物語は城の作りこみから、地中に没して廃墟となるまでの経過まで驚くほど緻密な描写でした。
公式のダンジョンの構成に完全に合わせた正確な構造は本当に凄い、凄すぎる。
チームの方々の素晴らしいお仕事の数々に絶句しながら毎回見ています。
そんな色んな要素が相乗効果でとんでもないクオリティの物語が作られている。
この外伝、エスターク物語も本編の魅力を何倍にも高める素晴らしさでした。
最高のMADを本当にありがとう。
<過去記事>
・51話 第五章18 「暗躍」
・57話 第五章24 「決戦!キングレオ城」(下と一緒)
・58話 第五章ファイナル 「約束」
・66話 第六章08 「もう一つの道」(下と一緒)
・68話 第六章10 「飛翔」
・71話 第六章ファイナル「迷走Mind」
・キャラ人気ランキング 第六章(1/4)
・78話 第七章05「声、高らかに」
・79話 第七章06「ラーニング」
・83話 第七章10「台無し」
・85話 第七章12「適性」
・88話 第七章15「デスパレス襲撃」
・89話 第七章16「地獄の帝王」
・90話 第七章17「神の陰謀と魔の王道」
・91話 第七章18「闇、身に纏いて戦う者」
・92話 第七章19「決戦の地」
・93話 第七章20「激突!地獄の帝王エスターク」
・94話 第七章21「激突!地獄の帝王エスターク 後半」
・95話 第七章22「マスタードラゴン」
・96話 第七章ファイナル「覚醒カタルシス」
・キャラ人気ランキング 第七章 その1 / その2 / その3 / その4
・マーニャ編01「不器用な姉」
・マーニャ編02「魔界の戦い」
・ピサロ編外伝 「ロザリー大作戦」
・マーニャ編03「美希スパイラル」
・マーニャ編04「エドガンの娘」
・マーニャ編05「悪魔の誘惑」
・マーニャ編06「全てはピサロ様の」
・マーニャ編07「拒否」
・マーニャ編08「変化」
・マーニャ編09「最強の魔法使い」
・マーニャ編10「光の眷属」
・マーニャ編11「解呪」
・マーニャ編12「さよなら」 その1 その2 その3 その4 その5
・キャラ人気ランキング マーニャ編
~八章01~07は後日に~
・104話 第八章08「デスパレス潜入作戦Ⅱ」 その1 その2 その3
・105話 第八章09「大空の覇者」 その1 その2
・106話 第八章10「勇者」 その1 その2 その3
・107話 第八章11「激昂」 その1 その2 その3
~八章12~13は後日に~
・110話 第八章14「第二の地獄の帝王」 その1 その2
・111話 第八章15「もとにもどす」
・112話 第八章16「時は来たれり」
・113話 第八章17「エルフを求めて」 その1 その2 その3
・114話 第八章18「天空の勇者」
・115話 第八章19「その血、何を継ぐ者か」 その1 その2
・外伝 エスターク物語 前編 / 後編(ここ)
- 2012/07/15(日) 15:52:58|
- ニコマス作品感想
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